
OHM RAD-S312N
Review
ホームセンターやディスカウントショップで売っているOHMの2,000円ラジオ。ICF-SW11やSW35を買おうと思っていたが、安さとそこそこの評判に負けて入手。実際、使えないというレベルではない。
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ダイヤルを一回り大きいゴム付きに変えた。
シャフトは一般的な半月切り欠きだ。
| 公称スペック | |
| バンド | 周波数(MHz) |
| FM | 76-108 |
| AM | 0.54-1.6 |
| SW1 | 3.70-4.10 |
| SW2 | 4.65-5.15 |
| SW3 | 5.90-6.40 |
| SW4 | 6.90-7.35 |
| SW5 | 9.25-9.95 |
| SW6 | 11.55-12.05 |
| SW7 | 13.25-13.80 |
| SW8 | 15.00-15.75 |
| SW9 | 17.50-18.00 |
| SW10 | 21.25-21.95 |
電源は単三電池二本、またはACアダプタによる3V。電源スイッチはボリュームと独立している。イヤフォンジャックを装備。全体のスタイルはSONYが確立した小型短波ラジオを模倣している。
実際の受信周波数と校正後の受信周波数。MWバンドはOSCコイルの調整だけで531KHz〜1675KHzまでカバーできた。これで一番低いNHKから東京マーチス・灯台放送をカバー出来る。元々スケールと受信周波数がずれていたが、受信帯域の改造であまり役立つモノではなくなった。
短波帯はスケールと受信周波数のズレが大きく、100KHz以上もずれる場合があったので、校正した。校正と並行して内部のコイル類を解析した。
受信性能はそこそこで、中波では室内で東京マーチスがカスカスで聞こえたり、灯台放送の「はちじょうじま」などの関東局や「あわしま」が弱いながらも受信出来る程度。チューニングダイヤルの減速比が大きい事も相まって、バンドが広く感じる。ただし選択度は悪く、720KHzの「ロシアの声」に693KHzのNHK東京第二放送がバリバリと時々被る。「ロシアの声」は同調インジケーターのLEDがほぼMaxまで輝くのでそれほど弱くはないのだが。
屋外に出ればかなりDXに期待出来る。冬場では灯台放送もかなりクリアに聞こえるだろう。ハイウェイラジオは側道でクリアに受信出来た。
短波帯はバンドスプレッドで帯域が狭いので、バンドエッジの感度低下はそれほど顕著ではないが、校正の段階でNHKとラジオ日経い合わせてトラッキングを施したので、若干偏っている。
短波の局発(OSC)コイルは2バンドで一つを共有している。このためSW1で校正するとSW2ではズレが増えたりするので、なかなかジャストチューンは出来ない。アンテナコイル(同調コイル)も2バンド共有となっている。
IFTは黄色が一つのみ。セラミックフィルターがあるのかどうかは確認していないが、選択度が悪いのはフィルタリングが悪いからだろう。回路を解析出来ればナローなセラミックフィルターを噛ませてみたい。
総合的には利便性とそこそこの性能で、ポータブルBCLレシーバーとしては必要充分の性能を持つ。ただし。FMはあまりできが良くない。MWの受信感度はアンテナの性能で40年前の松下BCLラジオ(ただしカリカリにチューンナップされている)に負ける。しかしこの感度設定のおかげで、夜間の中距離局のフェーディングは軽減されるようだ。
また、全体のS/N比が悪く、無信号時のヒスノイズが目立つ。帯域が広いおかげで音声は割とクリアに再生されるが音声出力を大きく取ると割と早めに歪みが目立つようになる。音声回路には今ひとつの改善が必要だろう。
今後堂平山などで受信実験をして、限界性能をためしてみたいと思う。
8月に堂平山にて受信実験を行った。
本体のみ、ロッドアンテナを伸ばした状態で結構多くの局を受信出来た。ただし夏場なのでフェーディングが強く、多くはカスカスにしか聞こえなかった。その中でも10Wの「おおさかハーバーレーダー」が聞こえたのには感動した。大阪−埼玉間はパスの相性が良いのだろうか?
その後、FMとMWのトラッキングを追い込んでみた。FMはメモリと受信周波数がずれており、気になっていたし、MWは1675KHzまでカバーするようにいじっているので、トラッキングは必須だった。
まずトリマーコンデンサーのレイアウト。上図の通り背面から見ると上側がアンテナのトラッキング、下側が局発のトリマーとなっている。受信範囲をいじらない場合、局発コイル、局発トリマー、アンテナトリマーをセオリー通りに調整し、IFTを調整すればベストな状態になる。
今回は中波帯は受信範囲を変えているので、局発トリマーはいじらない。ここをいじると受信範囲が変わってしまう。
1530KHzあたりでアンテナトリマーを動かして最大感度になれば良いだろう。トリマーの調整は非常にクリチカルだ。この状態では549KHzのマヤークなど、低い周波数で若干の感度低下が生じる様だ。しかし、灯台放送をよりよく受信するために犠牲になってもらう。
この状態で1530KHzのCRTはもちろん良くなるがIBSも良く入る様になった。特に水戸は信号が際だつ。リファレンスマシンの松下R-1400でも受信出来ないCRT那須がカスカスで聞こえ、東海ラジオは内容を理解出来る程度に受信出来るようになった(局名のアナウンスで東海ラジオであることを確認している)。
全体的に感度が上昇し、R-1400を越える様になった。なお、312Nの選択度の悪さの一因はトラッキングのズレにあったようで、トラッキングを合わせるといくぶん改善される。さらに選択度を向上させるためには、IFTを黄色から白に変えてみるとか、セラミックフィルターを導入するしかないだろう。
| トラッキング調整の概念 | |
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| 局発の周波数(目的信号±455KHz)とアンテナの同調周波数fantがずれていると、目的信号が弱くなり、目的外の信号も出力される。このため、感度も選択度も悪くなる。局発の周波数とアンテナの周波数のズレをとることをトラッキング調整という。局発とアンテナの周波数の変化は同じではないので、双方をすりあわせてなるべく同期するように調整する。 | |

9月中旬室内で受信出来た局
FMについては若干周波数がずれていたので、局発のトリマーを動かしてメモリと受信周波数を合わせた。その後90MHz付近のJOAK-TVのキャリアでアンテナトリマーを調整、最大感度にした。
これで従来NHKとNACK5以外とんど聞こえなかった状況が改善された。ただし中波帯もFM帯も手に持った状態での受信状況であり、ボディーエフェクトがあることをお断りしておく。
RAD-S312NはIFTのファインチューニングとトラッキングを十分吟味すれば、最新の高価なモデルほどではないが、十分「BCLラジオ」と名乗って良い性能を発揮する。40年近く前とはいえ、高級BCLラジオだったR-1400の性能を一部凌駕する程である。さすがに音声の品質や安定度、選択度などは、ファインチューンを施したR-1400にはかなわないのだが、気軽に持ち運べるという利点を鑑みれば欠点を補ってあまりある。
願わくば長波帯とセラミックフィルターを追加した「RAD-S413N」が登場して欲しいものだ。これで3,000円程度なら、ICF-SW11と同等の機能で半額になる。ホームセンターラジオとしては高価になるが、この機能とエンターテインメント性でヒットするに違いない。
なんて書いた直後に、セラミックフィルターを追加すべくパターンから回路図を書き起こそうとしたところ、なんと10.7MHzと455KHzのセラミックフィルターが装備されているのを発見した!
セラミックフィルターがあるなら話早い。
「選択度が悪いなら、フィルターを換えればいいじゃない」
(マリーアントワネット風に)
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| たぶん、各々の内部構成はこんな感じ。 |
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| もし各素子の特性が同じだったとしても、三段重ねで |
NHKの狭間に挟まれたラディオ・マヤーク(576KHz)もかぶりも〜少ししか〜無く聞こえるし、1377KHzのラディオ・ユーノストも混信しないで聞こえた。まぁまぁ、成功だろう。ラフにダイヤルを回すとシュパシュパっと信号が切れる感じ。いやいや、これで選択度の問題も一応解決だ。
あ〜でも挿入損失がでかくなって、感度は低下しているかもしれない…orzまぁ、いいか。